ayame DESIGNER YU IMAIZUMI SPECIAL INTERVIEW

"日本人に合うメガネ"を追い求めて。アイウェアブランドayameの魅力とは。

これまで様々なデザイナーやディレクターとの対談を行ってきたURBAN RESEARCH BUYERS SELECT バイヤーの村手謙介。
今回はアイウェア業界での経験なしに独学で知識を習得し、現在263日間限定で南青山にPop-up Shopをオープンしているayame デザイナー兼代表の今泉 悠 氏の元へ伺った。
ayameのブランド背景から別注HEXの制作過程とものづくりへの思いを紐解く。

きっかけは欲しいメガネがなかったから

村手:はじめにメガネを始めたきっかけはどういった経緯だったのでしょう?

今泉:20代前半のときに美容師として働きつつも「他の世界を見てみたい」と思って美容師を辞めた後に東京のイベントスペースの立ち上げに携わっていました。それで一緒に働いていた人がとてもメガネを素敵にかけていたんです。それまでのメガネに対するイメージはネガティブなもので、その人を見た瞬間、初めてメガネを「格好良い!!」と思えて。当時は海外のブランドに格好良いと思えるメガネがあったのですが、かけると下がってきて残念な感じになってしまったり、自分の顔に合うメガネが見つけられず、欲しいと思えるモノがなかったんです。
ですが、その方とメガネの話をしている内に一気に興味がメガネに傾いていきました。

それで福井県のメガネ屋さんを紹介してもらって話を伺いに行きました。若手が育っていないということと新規参入は難しいという現状を伺って「これからのメガネ産業はどうなっていくのだろう」と思って、自分にできることはないかと最初は軽い気持ちでメガネ作りに興味を持ちました。

今泉:その後、福井県鯖江市の工場を紹介してもらったのですが、メガネの作り方もわからなかったので門前払いされましたね。あと事業を興すための軍資金が必要だったので朝は荷揚げ屋、夜は解体屋を2年間続けてお金を貯めました。それから5年ほど経ったときに YELLOWS PLUS(イエローズ プラス)の山岸さんを紹介していただいて、サンプルを作る環境の背景やメガネの基礎を教えてもらいました。ayameのNEWOLD(ニューオールド)というモデルは一番最初に作った形がベースになっていて、それがブランドとしての始まりです。

村手:異色といえば異色ですよね。メガネを専門にやっていたわけじゃなかったということですもんね。

今泉:そうなんですよ。周りの人には、「店舗や工場で修行をした方がいい」って言われたりしましたが、どう考えても遠回りにしか思えなかったので、ブランドを立ち上げました。今考えてみても、思い切ったことしたなと思います(笑)。

素人だったからこそ自由に表現ができた

村手:でも、その若さでアイウェアブランドを展開してる人ってあまりいないのでは。当時ayameが出てきた頃は、インポートのブランドとかクラシックな感じの少し昭和っぽいアイウェアブランドが多いイメージでした。海外ではあったけど、ファッション寄りのブランドは日本ではあまりなかったような気がしますね。

今泉:そうですね。市場を見渡したときに、メガネはニッチな世界なのでやりずらさは感じていました。でも進めていくにつれて逆に競合が少ないので、自由に表現ができたり、素人だったからこそ眼鏡(がんきょう)的な光学的な視点からではなく、ファッション寄りのモノを作ることができましたし、"自分の身近なモノや出会うヒト"から影響を受けて生まれることが多かったです。

村手:とは言え、売れなければここまで来れないと思うのですが、最初は無名だったわけですよね。どうやって今に至ったんでしょう?

今泉:最初は全く相手にされませんでしたし、売れませんでした。何も知らずに走ってきてしまったので、本当にちゃんと準備はしておくんだな..と思いました(笑)。アポイントなんて全然取れませんでしたし。

村手:新規参入は難しいって言われていたんですもんね。

今泉:はい、たまたま東京の2店舗で仕入れてくれたショップがあったので、そこがスタートでした。だからといって芽が出るわけでもなく、展示会をしてもうまくいかず、地方へ行っても全く相手にされなくて失敗続きでした。

村手:分岐点はどこだったんですか?

今泉:一番大きかったのは著名人がかけてくれたり、メディアが出してくれたことだと思います。
周りの人で雑誌関係の方は多かったですし、タレントさんもかけてくれてSNSで発信してくれた効果もあると思います。ブランド価値を対面では伝えることができますが、不特定多数の人に伝えるって難しいじゃないですか。そういう意味では大きかったんだと思います。

村手:そういうのが積み重なって少しずつ卸先も増えていったんですね。

今泉:周りの人達、先輩方も含めて支えてくれたというか、応援してくれたのは大きかったです。

信念を曲げずに、提案を続けること

村手:ちなみに一番最初に売れていったのはやっぱりNEWOLDなんですか?

今泉:NEWOLDもあったんですが、3年くらい経った頃にFOCUS(フォーカス)やGENERAL(ジェネラル)という形が徐々に認知されていったのと、市場にはそんなに出ていなかったのですが、薄いカラーレンズも展開をしていて、それが少しずつ周りの人の目に留まるようになっていきました。当時はクリアレンズとカラーレンズを一緒に展開するのをあまり良しとされていなかったようで、「どっちがやりたいの?」ってよく聞かれていました。でも"レンズを選ぶのはお客さま"ってずっと思っていたので、「両方確立させていきたいです」って伝えていました。

村手:確かにクリアメガネといえばクリアレンズで、当時は薄いカラーレンズを販売しているところはそんなに見かけませんでしたし、今でこそ流行っていますが、薄いカラーレンズをいち早く取り入れていたのは大きいでしょうね。

今泉:僕、任侠映画を観てて、単純にチンピラのかけてるカラーレンズが格好良いなってところからだったんですけどね(笑)。ただ色んな提案があって良いと思うし、日本人がサングラスに抵抗あるっていうのは常々言われていたので、少しでも威圧感を軽減できるようなフレームだったりレンズを意識して提案をしていました。

他にはない新しい形を求めて

村手:HEX(ヘックス)はアビエータータイプのとても人気モデルで、FREEMANS SPORTING CLUB(フリーマンズ スポーティング クラブ)でも取り扱いをしていて"丸じゃない多角形"っていうところがすごく格好良いなと思いました。しかもかけやすい。多角形のメガネを展開しているブランドって見かけなかったですよね。

今泉:そうですね、近年は多いですけど当時は少なかったと思います。メガネを作る際は、徹底して市場は調査するんです。その中で「世にないモノを作りたい」という思いがあって、自分のアーカイブ資料から多角形のメガネがあったので、そこからブラッシュアップしていきました。

村手:今回の別注モデルに関してですが、元々丸いモデルのMANRAY(マンレイ)を個人的に愛用していて。そこからさらに進化させたのはどうかと相談をさせて頂きました。そしたら既に人気のHEXが多角形で他にはないモデルだったというのもあって、HEXとMANRAYを併せ持ったモデルにしようと話が進んでいったんですよね。

今泉:他の特徴としては、ブリッジとのノーズパットが一体型というのはどこにも作れないかなと思います。無駄なネジを使わないので、パーツが少ない分、軽量でかけやすいんですよ。

村手:一体型というのは今でも他ではない仕様ですか?

今泉:ないと思いますね。それにチタン製のメガネの成型というのは、福井県の鯖江市が世界で一番初めに作っていて、海外ではこの細かい作業はできないですし管理も難しいと思います。これも実は、紙粘土をいじっていて「こうやったらノーズパットになるよな〜」っていうところから始まりました。ノーズパットや丁番は昔から変わっていないんですよ。既にあるパーツから連想するのではなく、別の視点で考えていくのは大事ですね。

別注HEXのこだわり

今泉:今回の別注モデルに関しては、村手さんからアイディアをいただいて。インナーリムっていうメタルフレームとレンズの間にプラスチックの枠があるんですが、これを外しちゃおうよってなって、外すことで多角形を際立たせることができました。

村手:ブラックに関しては全部磨いた後に、あえてツヤを消していてマットにすることで重厚感を与えたんですよね。ツヤがあることで少し軽く見えるのは避けたくて。でも多角形だし、リムがないから重すぎない丁度良さがある。

村手:それからゴールドにはパープルを合わせて、ツヤも出して最大限に"いやらしさ"が出るように表現しましたね(笑)。ゴールドは印象がガラッと変わるから変化を楽しみたい人にはおすすめです。

クリアは一番シンプルでメガネとしてもかけれるので、普段使いしやすいと思います。プロジェクトを進める際に、映画でこういう人がこうかけていたら格好良いよねってよく話をさせてもらって進めていましたよね。

今泉:繊細なプロダクトなので道具ってことに囚われず、いちアクセサリーとして取り入れてもらいたいですね。色が違うだけで印象が変わるので、気軽に違う自分になれると思います。

日本人の顔に合わせたフィッテングバランス

村手:インポートのブランドは格好良いモノはあるんだけど、日本人がかけてみると「ちょっと違った」みたいなのがよくあります。ayameは日本人の顔を第一に考えてくれているブランドなので、肌の色や鼻の高さとかも考慮してくれている。そういう視点から生まれているから、ファッションと技術をかけ合わせた新しいブランドなのかなって思っています。

今泉:出来上がった時にはわからない"かけた際のバランス"は大事にしています。どこの位置に落ち着いてほしいのか、鼻幅の広さはどれくらいかというフィッテングバランスは究極に詰めて考えています。ミリ単位違うだけでも印象が変わってしまうので。

ayameがあることで業界全体の底上げに

今泉:僕らの使命としては、鯖江の職人さんの高齢化が進んでしまっている中で、彼らに仕事をお願いできる環境を創り、まず先に職人さんが潤ってほしいと考えています。作り手がいなければ生まれないわけですし、職人が作る伝統工芸や技術、ものづくり文化はまさに日本の宝と思っています。メイドインジャパンで価値を高めていきたいです。

ブランドに関しては認知してもらうことで「メガネって面白いんだな」とか「日本にこんなブランドがあるんだ」と気づいてくれたらありがたいですし、興味を持った人が世界を見渡した時に「海外のブランドにもこんなに良いブランドがある」という発見など、ayameがあることで業界全体の底上げに繋がるなら何よりだと思います。

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