PIENI
PIENI

PIENI KAVIO
「設計と素材でデザイン」

最初にPIENI(ピエニ)を見たとき、日本のブランドだと思わなかった。それくらい洗練された縫製とデザインであった。そんなインパクトを残したPIENIと一緒に新しいバッグを作りたいと思いこの企画をスタートさせた。

コンセプトは「僕が持ちたいバッグ」という単純な動機であった。僕が使いたいバッグとは、素材の良さを最大限に生かし経年変化が出る事、ミニマムで洗練されたデザインである事。この2つの要素を持ち合わせるバッグであった。

そして企画スタートから約1年。ようやく完成した「KAVIO」シリーズをリリースする。

KAVIO(カビオ)とは、「馬の靴」という意味を持ちます。この概念を落とし込んだのが「KAVIO」シリーズです。 馬具の世界では、重要なパーツに必ず「革」を使います。それは、 堅牢度を高く必要とするためです。 堅牢度を高く保ちながら洗練されたデザインに仕上げる為には、日本で一般的に使用される内装の「芯材」という合皮を一切使用せず、マチ〜底〜マチへと1枚の革で組み立てることです。「革」本来の良さを最大限に生かす事で唯一無二な表情に仕上げる事ができます。

鞄とは本来「立体」でなければものが入りません。日本のバッグは基本薄く縫いやすいように芯を入れて、強度を保ち自立させます。コバや持ち手長さなど一つのバランスが崩れるだけで自立しなくなります。美しくなくなる事=自立しないのであります。しかしこの鞄は、芯を全く使わず職人泣かせの革の厚みを厚くし自立させています。これは、革本来の素材の良さと美しい設計図がある事によって成立します。まさにヨーロッパの革職人の作り方なのです。立体成型のデザイン、設計と素材でデザイン、これをプロダクトで表現したものがPIENIです。

支えとなる硬さを鞣しで出し、厚さでも独自の仕上げがあります。鞣しと同じぐらい重要なのが実は厚みです。これは未だジャパンプロダクトでは軽視されています。厚さと言葉では簡単ですが、職人は製品となった時の重さを毎回ミシン回しする時に実感することになります。良い職人=熟練職人ということは高齢者が多いです。そのため重さがストレスになります。ジャパンプロダクトでは革を予め薄く漉いてから裏で芯材補強という形が主流となってます。

PIENIでは、革本来の力だけで自立させることで革らしい経年変化、ドレープを表現できます。革製品はあくまで嗜好品であり、使用されている方をファンにするにはどうしたら良いかを考えてプロダクトしてます。革の特性を最大限に活かす、そこにたどり着きました。

PEINIのデザイン絵を描くのではなく、設計と素材でデザインすること、これが「設計と素材でデザイン」のプロダクトマインドです。マチ〜底〜マチへと一枚の革で組み立てること、そして内装にも同じ革を取り付け製品となってもシンメトリーなデザインになります。これは2枚の素材(表、内装)の反発で成り立つ ”KAVIO” シリーズの真骨頂です。


同じ素材同士であれば相性が良く、経年変化も同じように歳をとります。使う方の用途に合わせ、自然の産物「革」は時間を掛けて変化していきます。 製品を持っていただくとわかります。持ち手素材含め全体的に硬い印象を受けると思います。革素材の良さは変化することです。そのため、製品となった時がベストコンディションではなく、使う方の頻度、使い方に合わせ、少しずつ柔らかくなり、ある程度のところで落ち着き製品が完成します。ユニセックスで使用可能な長く愛用し続けたい鞄です。

洗練された美しい高級感、そして使えば使う程馴染んで行く革本来の良さの両方を兼ね備えた逸品。 相反するモノが組み合わさった時の輝きを放つ、まさに「僕が持ちたいカバン」が完成したのです。